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歳時記2024
京都・花脊は琵琶湖への分水嶺を持つ山里だ。貴船から鞍馬を経由して、曲がりくねった峠を越えた先に静かに存在する。ご多分に漏れず、すごい勢いで住民の高齢化と過疎が進んでいる。他所から若者が僅かに移住してくるが、彼らは多忙で、いずれは考えようという感じで、まずは自然の厳しさと地元の習わしに慣れることに注力する。マンパワーは激減して底をつきそうで、放置された土地が増える中で、久しぶりに明るいニュースが流れた。国宝だった祖父を持つ友人の陶芸家が、煙や水質の問題で、都心では設置が難しい登り窯を廃校した小学校跡に新設した。パリのギメ美術館ほかで、作品が展示される世界的な陶芸家だから、火入れ式にはアメリカをはじめ、世界中から人がやってきた。彼が若い世代に日本古来の登り窯の技術を伝授し、門下生らが作品を創り出し、陶芸を生業として生きる力を与える場となるはずだ。花脊にいろいろな芽をまき、長い時間を経て花を咲かせるだろう。自然の中で、生きる力を若者が得ていく。彼が静かに目指していることの一つだろうと、友人の一人として思っている。
朝日新聞社系列の㈱アサヒ・ファミリー・ニュース社(大阪市北区中之島)が運営する『朝日ファミリーデジタル』で、弊所代表の澤有紗がコラムを連載中。関西エリアの “今” を豊富なコンテンツで発信している人気WEBサイトです。京都生まれの京都育ち、京都をこよなく愛する筆者が、京都の今をご紹介します。
From QOL
日本文化や美しい日本の風景の維持継承と、健康で自分らしく生きることをテーマに春と秋に主催するイベントは、毎回、稀なる体験をしていただけるように計画しています。参加費の中から会場となる場所の維持費捻出、若い世代の応援、寄付などを行うということも目的のひとつです。
※このイベントは終了いたしました。
feel!自分‐QOL Terakoya Movement- Vol.16
生きていく、私 伊藤瑛位子さんに聞く、楽しく生きるということ
●2023年6月17日(土)14:00〜16:00
場所 The Terminal KYOTO 参加費 5,000円/Per アイスコーヒーかアイスティー付き 定員20名
初代内閣総理大臣・伊藤博文公の孫、博英さんの夫人である伊藤瑛位子さんを囲んで、生きることについて考えます。伊藤さんは今年90歳。50歳の時に10歳年上の会社社長だった夫を亡くし、急に継ぐことに。博英さんは、渋沢栄一と共に日本の政財界の基礎を築いた井上馨公の兄の子供として生まれましたが、嫡子に恵まれない伊藤博文公の養子として迎えられました。政治家にならず、会社を立ち上げて経済人に。その夫の没後、会社を切り盛りしていたのですが…。人生はいろいろありますが、大切なのは人との縁よ、と伊藤さんは言います。
会場のThe Terminal KYOTOは、そこに居るだけで穏やかな気持ちになれる京町屋。カフェとギャラリーを併設していて、京都のアートや伝統工芸などの情報発信の場となっています。
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